銀歯は安全なのか?
保険診療でよく使用されている銀歯の材料である金銀パラジウム合金は、安心して口腔内で使用できる材料なのかと患者様から質問を受けることが度々あります。
保険適応ということもあって選択し易い修復材料ですが、結論から言うと安全ではありません。
「金銀パラジウム合金」という名称から一見すると金が一番多く含まれていると勘違いし易いですが、一番多いのは「銀」その次が「パラジウム」その次が「銅」そして「金」の順番になります。
金は身体にとって、とても良い材料と言われていますが実際には12%しか含まれていません。
この勘違いするような名称の付け方もなんとも日本らしいですよね・・。
パラジウム合金はリンパ球幼若化テストという金属アレルギー検査では、約半数の人に陽性反応が出るとも言われています。
ドイツなどの医療先進国では、パラジウムが体に与える悪影響を考慮して、パラジウムフリー(パラジウムを含まない、パラジウム0%)の金属を使うことを強く推奨しています。
外国製の日本向けの歯科金属のパンフレットでも、「この金属はパラジウムを含みません」ということをわざわざ謳っているほど、パラジウムは身体に良くないと広く認識されています。
そんなドイツでは安全面の観点から口腔内の修復にパラジウム合金の使用は禁止されています。
金銀パラジウム合金に含まれる成分は金、銀、銅、パラジウム、亜鉛、インジウム、イリジウム、錫などです。
これら重金属を含む金属は、口の中で腐食し、長い年月をかけて体内に取り込まれ、体に何らかの悪い影響を与えている可能性があります。
しかし保険診療で認められている材料ということもあって、比較的安価に治療が受けられるので未だに多くの患者様が選択されるのが現実です。
銀歯は安全なのか?
歯科医療に携わって20年以上になる私が、自分自身や自分の家族に保険診療の金銀パラジウム合金を使用するかどうかと問われたら100%使用しませんということだけは断言できます。